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戦場のヴァルキュリア―感想&レビュー [PS3]

アニメ化や、PSPで続編が発売されたSRPG「戦場のヴァルキュリア」
海外でも高い評価を受けた本作だが、具体的に何が良かったのか、いろいろと考えていこうと思う。

舞台は征暦という架空の年号が使われているヨーロッパ。連邦と帝国という2大大国が戦争をしているのだが、その2国に挟まれた位置に存在するガリア公国も戦争に巻き込まれてしまう。主人公たちは自分たちの故郷を守るために立ち上がるのだった・・・と言った感じ。

まず、このゲームを見て目を引くのが、その特徴的なグラフィックだろう。水彩画のようなタッチでなんだか心が温まる感じを受ける。特に、プリレンダリングのムービーは必見で、色彩豊かな激しい戦闘シーンを拝むことができる。
残念なのは、会話シーンなどでAAがかかっていないためジャギーがとても気になるところ。特に上官のメガネのジャギーは半端ない。

次に戦闘システム。BLiTZという斬新な戦闘システムがとても面白い。まず、プレイヤーは戦略図上で決められたCP(コストポイント)を消費しキャラクターを選択、そして実際に選択したキャラクターを操作してコマを進める。
攻撃は好きなタイミングで行える。例えば、移動してから攻撃で行動終了というパターンもあれば、攻撃してから移動して行動終了ということも可能。ただし、攻撃は1回のCP消費ごとに一回しか行えない。
また、キャラクター操作時は進行がリアルタイムになるので、敵に見つかると攻撃されてしまう。逆もまた同じで、自分のターンで敵が通りそうなところに自キャラを配置しておくと、敵のターンで敵の移動時に敵を迎撃することが可能になっている。この迎撃をうまく使うことにより敵のHPをガツガツ削ることができ、非常に爽快である。
また、キャラクターの兵科もうまく特徴が分けられており、狙撃兵が若干強いかなという気がしなくもないが、全体的にバランスは非常に良い。
部位ごとにダメージも違い、例えば頭を狙ったら大ダメージを期待できるし、胴体だと当たる範囲が広いので多くの弾がhitする、足だと、ダメージこそ小さいが、相手が伏せて弾を回避しようとしたときでも弾を当てることが出来るといった具合だ。ダメージに関しては、相手を狙った時に、そこに何発当たれば敵は死ぬという数値と、自分は何発撃つのかという数値を教えてくれるので、ダメージ計算に関しては深く考える必要もないので楽だ。
また、BLiTZは1ターンに同じキャラクターを何度も操作できるというのがミソ。もちろん、CPが残っているということが前提条件で、2回目、3回目と回数が増えるごとに移動距離が短くなるというペナルティーを受けることにはなるが、弾薬は基本無制限なので、敵を倒しきれなかったときにはもう一度攻撃を加えることが出来るし、1ターン目でCPを使い切らずにいくつか残しておき、2ターン目で1ターン目の残り+2ターン目のCPを全部使い切って総攻撃と言った戦略も取れる。
アクションパートはあるものの、それは演出の向上といった方がいいかもしれない。基本はSRPGなので、技量ではなく頭で勝負するゲームだ。攻撃時は自キャラ以外の時間がストップしてくれるので焦る必要もない。なのでアクションゲームが苦手な方でもクリアできる内容になっている。またステージ自体も、「ディスガイア」シリーズのジオパネルほどではないが、上手くステージをクリアできる方法が隠されていることが多々あるので、それを見つけることが出来ればパズルを解いたようにスッキリとステージをクリアすることが出来る。

RPG要素もこの素晴らしいゲームに華を添えていると思う。経験値や資金はステージをクリアすることにより、一括してプレイヤーに与えられる。そしてプレイヤーは"兵科ごと"に経験値を分け与えたり、資金を使って装備を向上させることが出来る。この兵科ごとというのが重要で、普通のRPGだと「このキャラ弱いし、重点的に使って強くしないと・・・」と言った面倒な義務が発生するが、このゲームではそういった心配は無用。突撃兵のレベルを上げれば全突撃兵が強くなるし、偵察兵用の新しいライフルを買えば、全偵察兵に新たなライフルを装備させるとが可能になる。と言っても、個々のキャラクターの個別性が薄くなるわけでもない。キャラクターはとてもたくさんいるが、それぞれ微妙にパラメーターが違ったり、特性をいくつか持っていたりする。キャラクター同士の相性もあるので、ステージによってキャラクターを使い分けることがゲーム進める上での一つのポイントとなってくる。とは言ってみたものの、私は正直キャラクター好みで選んだ。アニメっぽい言動のキャラクターは嫌いなので、出来るだけ普通、もしくは静かなキャラで部隊を構成していた。キャラクターごとにイチイチ設定があるのもポイントで、かなりの数の雑魚兵士が使えるのだが、皆設定付と、それに伴ったセリフを持っている、これには正直驚いた。作りこみの高さが伺える。
ちょっと話が脱線したが、RPG要素として、独自武器の存在も面白い。敵を倒したり、活躍が認められると新たな武器がもらえることがある。これは敵の帝国製の武器だったり、特殊な武器だったりする。これらは標準装備でなく個数が決まっているため、決められた個数の範囲内でキャラクターに装備させることが出来る。
この武器はどこどこのステージの草むらに隠れた敵を倒さないと手に入らないといった条件付きのものもあるので、一種のやりこみ要素にもなっている。
また歩兵とは別に戦車も存在する。戦車にはレベルの概念がないものの、様々なパーツが存在し、資金を使って個性のある能力を備えた戦車を作ることが可能。単純に強いパーツを使えばいいといったものではなく、パーツごとに大きさや形が決められており、決められたマスの中にパーツを納めないといけないようになっている。diabloのイベントリと言ったら分かりやすいかもしれない。なので、小さな弱めのパーツをたくさん使ったり、強くて大きなパーツをどかんと使ってみたりと、いろいろな構成を考えることが可能。悩みどころでもあり、面白いところでもある。

残念というほどでもないが、ストーリーはゲームプレイ並のものではない。よくある何の面白味もない王道ストーリー。また、慣れればいいのだが「アタイ」とか、そういう聞いていて恥ずかしいようなアニメ特有のセリフが多いのが私としてマイナスポイントだ。
他に欠点と言えるようなものは特に見当たらない。全体的にとてもうまくできていると思う。どのステージも変化に富んでいて、レベルデザインもいい感じ。音楽も、JUJUの主題歌を含め印象的で良いものばかり。
ベスト版が出て値段も下がっているので、PS3ユーザーにはぜひとも遊んでもらいたい良作。

8/10



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