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ゴッド・オブ・ウォー コレクション―感想&レビュー [PS3]

「GOD OF WAR III」発売を前にして発売された「ゴッド・オブ・ウォー コレクション」。内容はPS2で出たGOW1とGOW2をHD画質で処理してフレームレートを向上させたリメイクもの。私はそもそもPS2であまりゲームをしていないのでGOW1もGOW2も未プレイである。

そんな私がまず驚かされたのがグラフィック。タイトル画面には主人公であるクレイトスの顔が表示されているのだが、それが悪い意味でPS2の古臭さを感じさせらるものだったので、瞬間的に今作に対するハードルがガクっと下がってしまったのだが、最初の舞台であるエーゲ海の船上に場面が移り変わった瞬間、HDのクッキリ画質が眼前に広がりビックリした。PS3の和製タイトルの中には負けてるタイトルがあってもおかしくないグラフィックであり、改めてHDの有難さを感じてしまった。これはゲーム中のムービーでハッキリ分かる。ムービーは事前にレンダリングされたものなのでPS2のSD解像度ものを流用している。よってムービーからゲームプレイに戻るとその圧倒的な差を再認識することになるのだ。

もちろん、ポジティブポイントはグラフィックだけではない。このゲームは純粋にアクションが楽しい。今作のアクションは、ただ単に雑魚を蹴散らす感じではなく、常に全力で雑魚をなぎ倒すような感覚に陥る。GOW2では僅かながら無双よりの調整が入ったようにも感じられたが、それでも一級品には変わりない。
また、CSアタックという派手な攻撃法もこのゲームの魅力だ。一定のダメージを与えたり条件を満たしたりすると敵の頭上に○ボタンのマークがでる。そこで敵に近づいて○ボタンを押すと、一気にカメラがクレイトスに近寄り、指定されたボタンアクションを行うことで誰でも簡単にド派手な技が出せるのだ。ゲームが好きな人なら「QTE」が頻繁に起こると考えてもらえれば分かりやすいだろう。
このCSアタックがクレイトスの野獣のような本能を表していてカッコいい。時には首を胴体からもぎ取り、またある時は敵の口内に武器を突っ込む。CSアタックを無視して攻撃し続ければ、雑魚なら倒せるが、それではGOWの魅力の半分くらいを捨ててしまってるようなものなので是非ともCSアタックでバシバシ敵を倒していってほしい。

ストーリーやキャラクターも非常に魅力的だ。最初に説明すべきだったかもしれないが、このゲームはギリシャ神話がベースとなっており、1、2ともに人間であるクレイトスが神を倒すという目的を達成すべき迫りくる敵を殺していくゲームになっている。クレイトスというキャラクターは海外ではとても人気があるキャラクターなのだが、私も今作で完全に彼の魅力に取りつかれてしまった。このクレイトスはとにかく極悪非道なやつで、例えば龍が如くのようなヤクザだけど根は良いやつみたいなエンターテイメントチックなご都合主義はない。主人公であり、可哀そうな過去を背負っているのだが、自分の目的を達成するためなら心優しそうな人間でも平気で拷問して殺す。それも何の躊躇もなくだ。そのような冷酷な性格に加え、信念のようなものが見えるところと家族への愛情で一層魅力的なキャラクターに見えてくる。
GOW2の一連のストーリーの盛り上がりも圧巻で、言うなればヤビンの戦いでデススターを破壊した反乱軍が、そのまま極秘建造中の第2デススターを破壊しに行くような感じ。消化不良で中途半端な終わり方ではなく、ちゃんと最高に盛り上がらせるところが素晴らしい。

あと、謎解きが思ったより多いのが意外だった。God of Warというくらいだから殺戮の限りをつくすのかと思いきや、難しくもなく簡単でもない"良質"なパズルが結構多く、予想外なところで楽しめた。

悪かったところと言えば

・ムービーがSD画質
・アップグレードするだけなのに時間がかかる(GOW1)
・やや話が分かりにくいところがある
・ボタンまわり

この4点。SD画質はしょうがないと言えばしょうがないが、残念なのには変わりないのでここに挙げた。
アップグレードに時間がかかるというのは、敵を倒したときや宝箱を開けたときに経験値代わりのレッドオーブというものがもらえて、それを指定された数だけ放出すると魔法が強くなったり武器ごとの新しいコンボが覚えられたりするのだが、GOW1はなぜか、オーブを放出する速度が遅いので、1万オーブとかを捧げようとすると何十秒間か○ボタンを押しっぱなしにしなければいけない。
話が分かりにくいというのは、とにかく特徴のない人物は顔の判別に戸惑ったり、初登場なのにまともな紹介もないまま、さも以前からゲームに登場していたかのような扱いを受けていて、あれ?誰だっけ?というような状況に陥ってしまうことがあったということ。
最後のはちょっとややこしい。まず、GOW1と2でボタンがいくつか違ったりするので、GOW2を始めてすぐは操作に慣れる必要があるだろう。それと、PS3のコントローラーはR2が誤爆しやすいので注意。乱戦中にフッと武器が変わってたりする。そして一番しんどかったのが「イカロスの羽」。これはジャンプ後に滑空ができるというアイテムで、×ボタン長押しで発動するのだが、この長押し判定が非常に短い。普通にジャンプしているつもりが、勝手にイカロスの羽が出てしまい、しかも普通にジャンプのつもりでボタンを押しただけなので滑空する前にボタンを離してしまい落下するというパターンが異常なほど多かった。これは私の癖の問題かもしれないが、正直に告白すると同じ場所で約50回落下死するという屈辱を味わった。久しぶりにゲーム中にものを思いっきり投げてしまった。テスターなんか何人もいるのだから、私のようなプレイヤーから報告があってもおかしくないと思うのだが・・・


ただ、悪い点と言っても、どれも些細なものであり、このゲームが傑作アクションゲームだということに変わりはない。PS2のリメイクだからという理由だけで躊躇している人はすぐさま買った方がいい。面白いものは世代が変わっても面白いのだ。見た目ほど難易度は高くない(というか途中で難易度が変更できる親切設計)ので幅広い層にオススメできる。飽きっぽい私が1週間で2本分のゲームを消化できたという時点でこれが素晴らしいゲームだということが分かって頂ければ嬉しい。

7/10

 

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