Portal―感想&レビュー [PCゲーム]
「Portal」はValveが2007年にリリースした「The Orange Box」に収録されているファーストパーソンパズルアドベンチャー。発売するまでは「The Orange Box」のメインタイトルである「Half-Life 2:Episode2」のおまけ程度として考えれていたが、発売するや否や海外メディアで高い評価を受け、ついには「The Orange BoxはHL2よりおまけのPortalとTF2のほうが面白い」とまで言われるようになった。
今回は、無料配布キャンペーンに合わせて2週目をプレイしてみたので、2周したことで改めて感じたことなどを盛り込んで書こうと思う。

プレイヤーは無機質でSFチックな部屋で目覚める。そして少し変な機械のアナウンスによる指示を受けAperture Science社のテストを受けることになる、といった感じで話は一方的に進む。HL2だと、主人公は喋らなくても周りが劇を演じて現在の状況などを教えてくれるのだが、このゲームで音声を発するのは機械のアナウンスのみであり、これがPortal特有の雰囲気を醸し出している。


ゲームは一人称視点で進むパズルである。主人公はポータルガンと呼ばれる空間と空間を結ぶ銃を与えられる。空間と空間を結ぶというと少し分かりづらいと思うので上の画像を見て欲しい。1枚目のように、青のポータルとオレンジのポータルを平面に作ると青のポータルとオレンジのポータルがワープホールのように空間を超越して繋がるのだ。2枚目がその証拠で、オレンジのポータルに足を踏み入れてる主人公の姿が青のポータルに映っているのが見えるだろう。このようなポータルガンの特性を利用してパズル、即ちテストをクリアしていくのである。

パズル自体はそこまで難しく出来ていないが、バリエーションに富んでいて面白い。基本的なポータルガンの利用方法は変わらないのだが、ステージのギミックが豊かで冗長な作りになっていない。逆に言えばボリューム不足とも取れる。私の場合は、初見4時間で2週目が2時間といったところ。私はこれくらいのあっさりしたゲームの方が好きなので好意的に受け止められるが、物足りないという人も出てくるかもしれない。そういった人には上級チェンバーやチャレンジといったものが存在する上に、PC版だとユーザー作成のカスタムMAPが存在するので、そちらをやり込むのも一つの手かもしれない。

パズルの難易度に触れたので、パズルについて少し説明を。まず、ステージにそのテストの概要を書いたアイコンがあり、それを見ればどのような動作を要求されているのか分かるようになっている上に、Valveが得意とする物理演算を積極的に取り入れている作品なのでパズルの答えはいくつも存在する。なので、ガチガチのパズルゲームよりは幾分易しいと思われる。問題はアクションを要求されるステージだ。ポータルに入った物質はポータルに侵入したときの速度を維持したままもう片方のポータルから出てくる。これを利用して、ものすごく高いところに上る動作を要求される場面がいくつかある。これは頭ではどうしようもないので、単純にゲームが苦手だという方にはオススメできない。ただ、この動作はかなり気持ち良くて、2週目のプレイだとパズルを解いた快感よりも物凄い速さでポータルから射出される快感の方が気持ち良かったりした。このゲームの売りの一つであると見ていいだろう。

最後に、欠点は短いこと以外にあまり見当たらない。そもそも、このゲームはパズルに主体を置いていないので長くする必要もないと思った。ではどこに主体があるのかというと、それはユーザーがプレイして確認してほしい。もちろんゲームプレイも楽しいし、このゲームの演出にも一役買っているのは確かだ。しかし、このゲームをクリアした後に思い返すのはパズルの良し悪しではないと思う。購買意欲が湧きにくいタイプのゲームかもしれないが紛れもない名作なので未プレイのゲーマーは絶対プレイするべき。
9/10

今回は、無料配布キャンペーンに合わせて2週目をプレイしてみたので、2周したことで改めて感じたことなどを盛り込んで書こうと思う。

プレイヤーは無機質でSFチックな部屋で目覚める。そして少し変な機械のアナウンスによる指示を受けAperture Science社のテストを受けることになる、といった感じで話は一方的に進む。HL2だと、主人公は喋らなくても周りが劇を演じて現在の状況などを教えてくれるのだが、このゲームで音声を発するのは機械のアナウンスのみであり、これがPortal特有の雰囲気を醸し出している。


ゲームは一人称視点で進むパズルである。主人公はポータルガンと呼ばれる空間と空間を結ぶ銃を与えられる。空間と空間を結ぶというと少し分かりづらいと思うので上の画像を見て欲しい。1枚目のように、青のポータルとオレンジのポータルを平面に作ると青のポータルとオレンジのポータルがワープホールのように空間を超越して繋がるのだ。2枚目がその証拠で、オレンジのポータルに足を踏み入れてる主人公の姿が青のポータルに映っているのが見えるだろう。このようなポータルガンの特性を利用してパズル、即ちテストをクリアしていくのである。

パズル自体はそこまで難しく出来ていないが、バリエーションに富んでいて面白い。基本的なポータルガンの利用方法は変わらないのだが、ステージのギミックが豊かで冗長な作りになっていない。逆に言えばボリューム不足とも取れる。私の場合は、初見4時間で2週目が2時間といったところ。私はこれくらいのあっさりしたゲームの方が好きなので好意的に受け止められるが、物足りないという人も出てくるかもしれない。そういった人には上級チェンバーやチャレンジといったものが存在する上に、PC版だとユーザー作成のカスタムMAPが存在するので、そちらをやり込むのも一つの手かもしれない。

パズルの難易度に触れたので、パズルについて少し説明を。まず、ステージにそのテストの概要を書いたアイコンがあり、それを見ればどのような動作を要求されているのか分かるようになっている上に、Valveが得意とする物理演算を積極的に取り入れている作品なのでパズルの答えはいくつも存在する。なので、ガチガチのパズルゲームよりは幾分易しいと思われる。問題はアクションを要求されるステージだ。ポータルに入った物質はポータルに侵入したときの速度を維持したままもう片方のポータルから出てくる。これを利用して、ものすごく高いところに上る動作を要求される場面がいくつかある。これは頭ではどうしようもないので、単純にゲームが苦手だという方にはオススメできない。ただ、この動作はかなり気持ち良くて、2週目のプレイだとパズルを解いた快感よりも物凄い速さでポータルから射出される快感の方が気持ち良かったりした。このゲームの売りの一つであると見ていいだろう。

最後に、欠点は短いこと以外にあまり見当たらない。そもそも、このゲームはパズルに主体を置いていないので長くする必要もないと思った。ではどこに主体があるのかというと、それはユーザーがプレイして確認してほしい。もちろんゲームプレイも楽しいし、このゲームの演出にも一役買っているのは確かだ。しかし、このゲームをクリアした後に思い返すのはパズルの良し悪しではないと思う。購買意欲が湧きにくいタイプのゲームかもしれないが紛れもない名作なので未プレイのゲーマーは絶対プレイするべき。
9/10

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