アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団―感想&レビュー [PS3]
難易度は中級でクリア。
先に感想を書いてしまうと、少し期待をしすぎてガッカリしてしまったという部分が正直あるので、それについて留意した上で以下の文章を読んでもらいたい。
今年のPS3独占タイトルの中ではAAA級の扱いを受けた「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」（以下アンチャーテッド２）。
理由は2つ、前作のユーザーによる評価が著しく良かったこと、そしてデモのグラフィックが凄かったこと。
実際、グラフィックは素晴らしい。家庭用ハードとは信じられないような圧倒的なビジュアルを誇っている。
前作よりはマシなものの、ジャギーと解像度低下による粗は感じられるのだが、建築物のテクスチャ解像度や遠景のクオリティが非常に高い。
水も前作以上。特に急流の流れがゲームとして見ると汚いのだが、初めて見たときはまさに本物の川に見えた。
では、前作の評価を維持もしくは今作で引き上げられたかというと、私はそうは思わない
前作からの改善点をゲームプレイの視点から挙げてみたので見て欲しい。
･ステージがより立体的になり攻撃の幅が広がった
･格闘システムが相手に合わしてボタンを押す仕組みになった
･モンスターをより個性の強いものにした
･ステルス要素を追加
･アクティブなフィールドが増えた
特に下２つが良いスパイスになっている。
MGSみたくステルスが主体ではないので完全に敵に見つからずにゲームを押し通すのは無理だが、あらかじめ戦闘が始まるまでに下準備としてステルスキルを使いその後の戦闘を楽にすることが可能。
気になったのは敵AIの視界。明らかに見えてるだろという場面でも敵はなかなか気づかない。これは興ざめする。ただ、ステルス要素を入れたのは確実に正解でゲームのプレイスタイルの幅を良い方向に広げていると思う。
「アクティブなフィールドが増えた」というのは、具体的に言うと列車上での戦いのような動的で迫力のあるシーンが増えたということ。しかも、ただ動いてるように見えるわけではなく、実際に広大なフィールドを高速で移動しているので臨場感が物凄い。この演出に関してはアンチャーテッド２の右に出るものはいないと断言できるほどの出来。問題は、この映画的演出を入れるために操作不能になることが多いこと。画面自体は変わらないのだが、主人公のドレイクが勝手に特別なモーションで回避行動をとったりする。もちろん、シームレスなので歓迎すべき演出なのかもしれないが、その演出が多くてしつこく感じてしまうので私にはデメリットとして映ってしまった。
もうひとつ触れさせてもらいたいのが「モンスター」の変化。crytekが大好きな後半からのvs非人間戦闘がアンチャーテッドにも取り入れられている。なぜ批判ばかりされるこの形式をアンチャーテッドでも取り入れられてるのか分からないが、前作のモンスターはかなり退屈だった。４速歩行で少し速い&硬いだけの大きな脅威とならない存在。雑魚が増えたところで何も変わらないのだが、今作ではかなり敵が強くなっており、そもそも出現シーンが少なかったり、倒す必要がなかったりとメリハリが利いている。演出面にまわったという感じだろうか。この程度ならいい刺激になるので私は面白いと思った。
では、何が気に入らなかったのか。特殊な戦闘下以外の通常戦闘が物凄くつまらなかった。
wave数が多いのが一番の難点。「どんだけ倒せばいいんだよ」と思うほど敵がわんさかわいてくるのだが、その敵の出し方が間違っている。分ける数が多すぎるので冗長な戦闘がかなり長く続く。もっとまとめて出すとか、そもそも敵の総数を減らすなど工夫が欲しかった。CODの無限沸きが大嫌いな私のような人間はこれがかなりしんどいと思う。冒険活劇なのに前に進めないもどかしさ。これは本当に辛い。
ロケーションが変わりすぎるのもよろしくない。ロケーションごとに見せ場を作らねばいけないので今作の欠点である戦闘が割りと近い感覚で押し寄せる。また、ロケーションごとにムービーが入るのもテンポを悪くする。
前作は格闘で敵を倒すのがGoWのチェーンソウキルのように楽しかったのだが、今作では格闘を使う場面が減っているように思う。私の勘違いかもしれないが、格闘中にスローモーションになっているはずなのに敵の銃撃は通常スピードなので格闘すること自体がかなりのリスクを背負うことになるのだ。
総じて、戦闘が面白ければ･･･というものばかり。こればかりはTPSなのでしょうがないのかもしれないが、それならそれでアドベンチャー要素を増やすべきだったと思う。映画的な演出が欲しければ自ら戦いに行くシーンとして使うのではなく、敵を殺す必要のない逃走シーンとして使えば良かった。
これは私事なのだがアンチャーテッド２をやっているとMGS4を思い出した。どちらもPS3の大作として派手にしようと頑張ったのだが、繋ぎ目が面白くない/退屈なために常時楽しむことが出来なった。
意欲は感じられるだけに非常に残念。
マルチプレイはβしかプレイしてないので割愛。
得点
6/10
先に感想を書いてしまうと、少し期待をしすぎてガッカリしてしまったという部分が正直あるので、それについて留意した上で以下の文章を読んでもらいたい。
今年のPS3独占タイトルの中ではAAA級の扱いを受けた「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」（以下アンチャーテッド２）。
理由は2つ、前作のユーザーによる評価が著しく良かったこと、そしてデモのグラフィックが凄かったこと。
実際、グラフィックは素晴らしい。家庭用ハードとは信じられないような圧倒的なビジュアルを誇っている。
前作よりはマシなものの、ジャギーと解像度低下による粗は感じられるのだが、建築物のテクスチャ解像度や遠景のクオリティが非常に高い。
水も前作以上。特に急流の流れがゲームとして見ると汚いのだが、初めて見たときはまさに本物の川に見えた。
では、前作の評価を維持もしくは今作で引き上げられたかというと、私はそうは思わない
前作からの改善点をゲームプレイの視点から挙げてみたので見て欲しい。
･ステージがより立体的になり攻撃の幅が広がった
･格闘システムが相手に合わしてボタンを押す仕組みになった
･モンスターをより個性の強いものにした
･ステルス要素を追加
･アクティブなフィールドが増えた
特に下２つが良いスパイスになっている。
MGSみたくステルスが主体ではないので完全に敵に見つからずにゲームを押し通すのは無理だが、あらかじめ戦闘が始まるまでに下準備としてステルスキルを使いその後の戦闘を楽にすることが可能。
気になったのは敵AIの視界。明らかに見えてるだろという場面でも敵はなかなか気づかない。これは興ざめする。ただ、ステルス要素を入れたのは確実に正解でゲームのプレイスタイルの幅を良い方向に広げていると思う。
「アクティブなフィールドが増えた」というのは、具体的に言うと列車上での戦いのような動的で迫力のあるシーンが増えたということ。しかも、ただ動いてるように見えるわけではなく、実際に広大なフィールドを高速で移動しているので臨場感が物凄い。この演出に関してはアンチャーテッド２の右に出るものはいないと断言できるほどの出来。問題は、この映画的演出を入れるために操作不能になることが多いこと。画面自体は変わらないのだが、主人公のドレイクが勝手に特別なモーションで回避行動をとったりする。もちろん、シームレスなので歓迎すべき演出なのかもしれないが、その演出が多くてしつこく感じてしまうので私にはデメリットとして映ってしまった。
もうひとつ触れさせてもらいたいのが「モンスター」の変化。crytekが大好きな後半からのvs非人間戦闘がアンチャーテッドにも取り入れられている。なぜ批判ばかりされるこの形式をアンチャーテッドでも取り入れられてるのか分からないが、前作のモンスターはかなり退屈だった。４速歩行で少し速い&硬いだけの大きな脅威とならない存在。雑魚が増えたところで何も変わらないのだが、今作ではかなり敵が強くなっており、そもそも出現シーンが少なかったり、倒す必要がなかったりとメリハリが利いている。演出面にまわったという感じだろうか。この程度ならいい刺激になるので私は面白いと思った。
では、何が気に入らなかったのか。特殊な戦闘下以外の通常戦闘が物凄くつまらなかった。
wave数が多いのが一番の難点。「どんだけ倒せばいいんだよ」と思うほど敵がわんさかわいてくるのだが、その敵の出し方が間違っている。分ける数が多すぎるので冗長な戦闘がかなり長く続く。もっとまとめて出すとか、そもそも敵の総数を減らすなど工夫が欲しかった。CODの無限沸きが大嫌いな私のような人間はこれがかなりしんどいと思う。冒険活劇なのに前に進めないもどかしさ。これは本当に辛い。
ロケーションが変わりすぎるのもよろしくない。ロケーションごとに見せ場を作らねばいけないので今作の欠点である戦闘が割りと近い感覚で押し寄せる。また、ロケーションごとにムービーが入るのもテンポを悪くする。
前作は格闘で敵を倒すのがGoWのチェーンソウキルのように楽しかったのだが、今作では格闘を使う場面が減っているように思う。私の勘違いかもしれないが、格闘中にスローモーションになっているはずなのに敵の銃撃は通常スピードなので格闘すること自体がかなりのリスクを背負うことになるのだ。
総じて、戦闘が面白ければ･･･というものばかり。こればかりはTPSなのでしょうがないのかもしれないが、それならそれでアドベンチャー要素を増やすべきだったと思う。映画的な演出が欲しければ自ら戦いに行くシーンとして使うのではなく、敵を殺す必要のない逃走シーンとして使えば良かった。
これは私事なのだがアンチャーテッド２をやっているとMGS4を思い出した。どちらもPS3の大作として派手にしようと頑張ったのだが、繋ぎ目が面白くない/退屈なために常時楽しむことが出来なった。
意欲は感じられるだけに非常に残念。
マルチプレイはβしかプレイしてないので割愛。
得点
6/10
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