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Bioshock Infinite―「何とも言えない」作品 [PCゲーム]

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 一昨日購入した「Bioshock Infinite」。難易度ノーマルで12時間だった。確かに事前のメディアの評価通り、おもしろいのは確かだと思う。少なくとも、同時に進めているFarcry3よりこっちの方が自分は好み。
 ただ「何とも言えない」という言葉がとてもぴったり合うゲームだった。

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 最初はとても満足していた。「期待はずれだ」という口コミも聞いていたので「何だったの?あの評価」って感じだった。

 暗くて完全に狂ってる「ラプチャー」も良かったが、この明るくて、でもどこか狂っている「コロンビア」も気に入っていたし、戦闘もBioshockシリーズの中で一番楽しめた。もっとも、戦闘に対する批判が少なからずあったので、なんで他の人と差が生まれたのか考えてみたのだが、どうも今回のBioshock Infiniteと自分のプレイスタイルがあっていたのだろうという結論に至った。今作ではスカイラインと呼ばれる、空に架かっているレールを使って、ジェットコースターのように移動しながら敵と戦うことができるのだが、レールがグニャグニャ曲がっていたりスピードが速い時はパッドを使うと厳しい場面があったのかもしれない。自分はマウスだったのでこのスカイラインはとても楽しかった。また、単純に自分が使っていた武器、装備だと終盤まで基本的な敵を一発のヘッドショットで倒せたのでかなり気持ちよかった。他の武器、装備を好んで使っていたら今作の印象はまた変わっていたかもしれない。

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黄色い肌で吊り目の奴らは嘘で我らを裏切った。だが奴らの非道な行いは正された。我らが預言者の怒りによって。

 また、「アメリカ史、キリスト教の知識が必要で日本人は楽しめない」なんて書き込みを見たこともあったのでどんなものかと思ったが、幸運にもほぼ自分の守備範囲内だったのでさして問題にならなった。自分はこの話を聞いてアメリカ史、キリスト教用語の比喩を使ったどんでん返しでもあるのか思い、かなり深読みしていたのだが、重要なのはそこではなかった。まぁ深読みできるだけそこまではかなり楽しんで遊んでいたのだが・・・

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 今作のヒロイン、エリザベスはとても可愛い。いや、可愛かった。少なくとも終盤までは可愛く思えた。洋ゲーらしからぬ美形だし、服装も着替えたり破れたりでちょっとしたバリエーションがある。
 
 可愛いのはルックスだけではない。エリザベスのAIは従来のゲームでは見受けられないような変わった動きをする。まず戦闘はしない。かと言ってアホみたいに立っているだけではなく、ゲーム中いろいろなところで助けてくれる。例えば、見落としてしまった役立つアイテムの存在を教えてくれたりするし、戦闘中は回復アイテムや弾を込めた武器を投げてくれたりする。自ら集めたお金をくれたりもする。
 変わっているところは他にもある。まず、主人公の後をついてまわるだけの従来のAIと違い、エリザベスは先行する。別にスクリプト仕掛けとかではなく、主人公の次の行動を予測して先行する。例えば、建物の2階からテラスに向かって走ったら、エリザベスはプレイヤーがそこから飛び降りると予測し、ぴょんとテラスから1階に飛び降りる。
 他にも、壁があれば寄っかかったり、火があれば暖を取ったり、とにかく動きが従来のAIっぽくない。これが愛着を抱かせる。AIなのだが、一個人に感じるのだ。

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 では何がダメだったのか。これが「何とも言えない」のだが・・・なんというか、ゲームのからくりにスッキリしないのだ。Bioshockの何が良かったのかというと、雰囲気やラプチャーの設定はもちろんなのだが、やはりあのどんでん返しによる衝撃のデカさとシンプルさにあったと思う。何気ないところに大量の伏線を張っておいて、シンプルな種明かし一つで一気にそれらを紐解くあのスッキリさ。
 Bioshock2にそれはなかったが、完成されたラプチャーの世界と改善されたシステム、単純明快なストーリー
で不満はあまりなかった。
 ではBioshock Infiniteはどうなのかというと、モヤモヤする終わり方の上にモヤモヤがなくなってもあまりスッキリしないのだ。Bioshockはダムが決壊するイメージで、それに対しInfiniteは途中から放流を始める感じる。ネタバレになるのであまり書けないのだが、「ある事」が起こる度に自分はこの世界感、キャラクターたちに対する愛着心がどんどん希薄になっていって、エンディングでは今まで信じてきたものに裏切られた感じがした。もうこんな世界どうでもいいやみたいな。

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 最初にも言ったがゲームはおもしろかった。特に序盤はすごい良かった。小さいことながらもいくつか「おぉ」と思わせられるような小さな「衝撃」があったのも事実だし、キリスト教、アメリカ史を持ち込んだのも面白かったと思う。でもゲームが進む毎にキレイで楽しそうなコロンビアが消えていき、前述したようにInfiniteの世界に対する興味もなくなっていってしまった。積みゲーの山ばっか増えていく自分にとって、2日間熱中してクリアできたのだからすごいおもしろいゲームだったはずなのだが、どこか好きになれないゲームでもあった。それでも今年遊んだFPSの中じゃダントツ1位のなのだが。
 
 あと日本語の吹替があまりあってなかった。Bioshock1はかなり良い出来だったのに。エリザベスなんか声を発するごとに本人の顔か紫色のガリ勉ポニーが頭に浮かんできてしまった。やっぱアニメ声は苦手だ。
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AustRerry

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by AustRerry (2019-06-09 08:44) 

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